好きになっちゃったら仕方ないじゃん。
この感覚だ。
やっぱり、楽しい。
弾いた曲は、
『モーツァルトのキラキラ星変奏曲』
これは、私達にとって、思い出の曲だから。
「弾けたじゃん!」
そうちゃんに言われて、私も笑顔で返事する。
「うんっ!!
ありがとう、ほんとにありがとう。」
あぁ、やっぱり、諦めたくないや。
また、舞台に立ちたい。
そう思ってたら涙出てきちゃったけど。
「泣くなよ、彩。
とりあえず、ここ出ようか。
この後、撮影だろ?」
あ、教室だったんだ。
「うん。
わかった。」
そう言ってドアの方に向かう。
「「「あやちゃん(松宮さん)すごいね!
さっきはごめんなさい!!」」」
そんなに謝らなくてもいいのに。
そんな中、誰かが言ったのが聞こえた。
「もしかして、あの天才ピアニストだったりして!
あ、でもそんなことはないか。」
やばい、気づかれた。
動揺しちゃったけど、
「そんな、謝らなくていいよ!
私、この後撮影だから行くね!!
また明日ね!」
そう言ってそうちゃんと教室を出た。