秘密の恋
「冬馬が遠くに行っちゃう夢を見た。
手を掴もうとしても届かなかった。」


私も悪い女だな。


冬馬と優馬くんを入れ替えて
夢の話をするなんて…。


「大丈夫。俺はどこにも行かない」


冬馬はぎゅっと抱き締めてくれた。


もう、終わりにしなきゃ。
この気持ちから。


私はそう決心した。


じゃなきゃ、
このまま彼を想っていても何も変わらない。


そんなこと分かってるけど、
現実はそうもいかない。


不倫だったからこそ
この気持ちを消すのは簡単じゃない。


ねえ、冬馬。
本当は気付いてたんだよね?


私と優馬くんのこと。


長い付き合いだもん。
私も冬馬のこと分かってる…つもり。


あなたが妙に優しいのは
何も気付かないフリしてくれるのは
私のこと、愛してくれるからだよね?


ごめんね、冬馬。
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