秘密の恋
ガチャッ…


鍵が開く音がした。


「ただいまー」


冬馬が帰ってきた。


「ぉ、おかえりー!」


私は玄関に向かう。


「早かったねー」


ドキドキする。
優馬くんが好きだと意識して
冬馬の顔が見れなかった。


私はリビングに戻ろうと冬馬に背を向ける。


「寧々?」


「ん?」


腕を掴まれ、
振り返させられキスされた。


「んっ………ちょっと!」


この時、優馬くんに見られてないか
ちょっと心配だった。
キスなんて夫婦なら当たり前のことなのに。


「優馬に何もされてない?」


「何もされてないよ。」


何の考えもなしにキスする冬馬に
この時ばかりはイラっとした。


「お兄、おかえり」


「おう、ただいま」


こうして期間限定の
三人での暮らしがスタートした。
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