秘密の恋
「何これ!旨すぎでしょ(笑)」


ホウレン草のお浸しを食べて
驚いている優馬くん。


「いやいや、褒めすぎだよ(笑)」


本当は嬉しくて、心から喜ぶ自分がいた。
そんな素直過ぎる優馬くんが可愛く思えた。


「寧々の料理、
食べさせたくなかったのにな。本当は」


「お兄、ズルイっしょ。
こんな旨いもの毎日食ってんだし」


たまにはこんな風に皆で食べるのも
いいかもしれない。
二人だけじゃ、やっぱりどこか寂しいから。


「お母さんの料理も美味しいでしょ?」


「いやいや、寧々ちゃんのほうが美味しい。
ね、”お兄ちゃん”?」


「お前にお兄ちゃんと言われるの気持ち悪いんだけど(笑)」


皆で笑い合ってる。
そう、それでいい。
さっきのは気のせいだから。


そう誰かに言われた気がした。
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