秘密の恋

運ばれてきたチーズケーキ。


「寧々ちゃん、はい。あーん」


「優馬くんが食べなよ。
食べたかったんでしょ？」


「いいから、ほら、あーん」


このまま食べてもいいんだけど
優馬くんも食べるんだよね？
間接キスにならない？
私は冷静にそう考えていた。


けど、私に拒否権はなさそうだし
大人しく差し出されたケーキを食べた。


「…うま…。これ、美味しいよ！
優馬くんも食べてみて…って
フォーク使っちゃったね。
新しいの持ってきてもら…」


言っている途中で
私が口をつけたフォークで
自らケーキを食べていた。


「別に俺は気になんないけど…
あ、寧々ちゃんってそこは気になる人！？」


「私も大丈夫だけど…」


むしろ、ちょっと嬉しいんだけど(笑)


「じゃあ、このまま食べちゃお。
寧々ちゃん。はい、あーん」


優馬くんに口を開けるのは
恥ずかしかったけど
今はそれを受け入れることにした。