秘密の恋
私は腕時計に目をやる。


「あと2時間はあるよ」


「それでもいい。待ってる」


彼の目は真剣だった。


「……分かった。終わったら連絡する」


「大丈夫?」


お店のほうから声がした。
店長が気になったみたいだった。


「あ、すみません。大丈夫です。」


優馬くんは店長に会釈をすると
その場から離れた。


「イケメンじゃないのー。
旦那…にしては若いわね?」


「旦那の弟です。
旦那に用があったみたいで」


「お兄さんなんだから
直接、連絡すればいいのにね。
もしかして、寧々ちゃん
好かれてるんじゃないのー?笑」


「いやいや。それはないですよ。」


店長の冗談も
彼への気持ちがあると
軽く流すのも難しかった。
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