秘密の恋
「ついでに相談しちゃうけど
私さ、冬馬いるんだけど
気になる人出来ちゃって(笑)」


あくまでも冗談かのように。


「え、それって俺?」


もしかしてバレてたの?
一瞬、ドキッとした。


「な、なんでそうなるの(笑)」


「寧々ちゃんのまわりに
男いなさそうだから。俺以外はね」


図星だった。
昔から男性が苦手で男友達なんていなかった。


「なーんて、ありえないよな(笑)」


私の中で誤魔化したくないと
誰かが呟いた。
もう告白しちゃいなよ、って。


「…そうだよ。優馬くん。
気になる人ってのは優馬くんだよ。」


多分、10秒くらいかな。
私達二人の間に沈黙の時間が流れたのは。


「…えっ、冗談だよね?笑」


「そう捉えてもらっても
私は構わない。」


本当は自分の気持ちを
ちゃんと言いたかったけど
多分、彼はそれどころじゃなさそう。
目が泳いじゃってる。


だから私は


「ごめんね。それじゃ帰るね
あ、プレゼントのことだけど
ピアスがいいと思うよ、星形とかね。」


私は伝票を持ってレジに向かう。
お金を払い、家路と急ぐ。
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