秘密の恋
お店に着くなり
私は特売品を見ていた。


共働きと言えど
贅沢が出来るわけじゃない。


「お姉さんっ」


と後ろから肩をポンポンと叩かれた。


「はい?」


振り向くと優馬くんがいた。


「え、なんで?」


「後ろつけてたの、気付かなかった?」


あれ、優馬くんだったんだ。


「気付いてたけど
振り返るのも怖いから(笑)」


そっか、と笑った優馬くん。
胸がトクンっと高鳴ったのが分かった。


「お兄ちゃんには言ってるから
今日、家でご飯食べていい?」


「あ、うん。
夜ご飯、何がいい?」


「んーっと…オムライス!」


満面の笑みで…可愛い(笑)


「子供みたい(笑)
あとはスープとサラダでいいかな」


「子供って…。
でも、俺は寧々ちゃんより下だよ」


「はいはい(笑)
どうせ私はオバサンですよー」


「そうじゃないってー」


そんなやりとりをしながら
いつもなら退屈の買い物も
優馬くんとだとすぐに終わった。
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