秘密の恋
ご飯を済ませて
私はいつものように
食後のお茶を用意する。


ソファに座ってテレビを観ている二人。
なぜか微笑ましかった。


兄弟二人が普通だと
この気持ちも彼との関係も
全部嘘に思えてくる。


テーブルの下で足をツンツンしてきたり
秘密のキスを交わしたり
秘密のデートをしたり
全部、夢のようにも思ってしまう。


でも、好きな気持ちは
旦那である冬馬にも
不倫の関係にある優馬くんにもある。


冬馬には
申し訳ないっていう思いもある。


だけど、今は
優馬くんとの関係を、
ハラハラドキドキのこの気持ちを、
もう少しだけ感じていたい。


「俺…そろそろ帰る。」


「え…お前、俺に
何か用あったんじゃないの?」


「あー…うん。履歴書のこと。
でも、遅くなると申し訳ないし」


優馬くんらしからぬ言葉だった。


「申し訳ないって
お前らしくねぇの(笑)な、寧々。」


「私に振らないでよ(笑)」
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