秘密の恋
「俺さ…」


マグカップをローテーブルに置きながら
優馬くんが口を開いた。


「この一ヶ月間、考えてたんだ。
あの時のこととか俺の気持ちとか…。
実際、悪いことしてるじゃん?」


「うん…」


私は相槌を打ちながら
彼の話に耳を傾ける。


「朝起きたら、今日はLINE来るかな?とか
学校行っても、
寧々ちゃんは何してるかな?とか
夜だったらお兄とご飯食べてるのかな?とか
寧々ちゃんのことずっと考えちゃってて」


ちょっと恥ずかしそうにする彼。
とても愛おしく思えた。


「でもさ、寧々ちゃんにはお兄がいるし
俺とのことは遊びなんだよなーとか
ネガティブに考えちゃって(笑)
なのに、思い浮かぶのは
いつもいつも寧々ちゃんなんだよ。」


優馬くんの切ない表情に
私の胸はギュッと痛くなった。


「いつまで続くかは分からない。
すぐにお別れが来てしまうかもしれない。
だってさ、この関係にゴールはないじゃん?
だけど、今は寧々ちゃんと一緒にいたい。」


彼の正直な気持ちに
目頭が熱くなるのを感じた。


油断したら涙が溢れてきそう。
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