秘密の恋
彼は何度も私の中で動く。


その度に私と彼の吐息が重なり
部屋に響く。


冬馬とは違う吐息。
冬馬とは違う体つき。
冬馬とは違う動き方。


これからも冬馬だけだと思っていた。


旦那のために生きていく、と。


けど、私は醜い女だ。


この密会にソワソワし
冬馬とは違う彼の身体にゾクゾクし
いやらしく感じてしまう。


きっと神様は
こんな私を地獄に落とすだろう。


それでもいい。


地獄に落ちても
私はこの秘密の時間を楽しみたい。


何度も幾度となくいやらしくなる。


「ん………いやっ…」


「寧々ちゃん。もう………イっちゃうの?」


これ以上は本当に無理。


「本当………可愛いんだから」


「ひゃ…んっ」


彼は少なからず私の身体を満足させた。


けど、心は満足していない。
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