秘密の恋
「ふぅ…」


ソファで事を終えて数分後…


「え、俺、ダメだった?」


私は思わずため息をついてしまった。


「ち、違うよっ!
幸せだったから思わず…」


必死に否定する私。


幸せだった私もいる。
彼を求めて、彼もそれに応えて求めてくれる。
けど、その一方で「何やってんの」と
自己嫌悪にハマっている自分もいる。


あの「ダメだった?」に
「うん、やっぱ無理。」
って言えたら良かったのかな。


でも、これが不倫の罠。


いざやめようと思ってても
終わりを受け入れられず、さよならを言えず
そのまま関係を続けてしまうということは
もう不倫の泥沼にハマっている。


これから私はその泥沼から
何度も抜け出そうとする。


でも、頭で彼のことを考え
心は彼を想っていて
身体は彼を求めている。


そんな私が泥沼から抜け出す方法なんて
ひとつもなかった。


ひとつだけあるとすれば
彼が別れを告げてくれること。


今の私には考えもしなかったけど。
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