秘密の恋
冬馬が着くであろう時間まではまだある。


こんな泣いて腫れぼったい顔、
冬馬にも優馬くんにも見せられない。


先に行って
優馬くんと鉢合わせになるの嫌だし
顔冷やしてメイク整えよう。


そうだ。服も着替えよう。


♪~♪


『あと10分くらいで着く。
寧々はもう出た?』


冬馬からのLINEだ。


いつの間にかそんなに時間たってたんだ…


『家事してたーっ(笑)
今から家出るね!』


私は家を出て
ゆっくり歩いてファミレスに向かう。


向かう最中にも何度も考えた。


どんな顔で彼に会えばいいんだろう。
前ってどんな話をしてたっけ?


私一人で悩んで
優馬くんは何とも思ってないんだろうな。


「…バカ…」


なんで私だけが悩まなきゃいけないのよ。


「誰にバカって言ってんの?」
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