私と後輩君との恋は、じれったい。

浮かれ気味?

 ___ピピピピ、ピピピピ、


「ん……」


 いつまで経っても鳴り止まない電子音に、目を閉じたまま手を動かす。


 ___ピピピピ、ピ


 音が止まったことを耳で確認して、再び深い眠りにつく。

 ……はずだった。


「彩葉ーー!!」


「っ!!」


 全身が震えるような大きくて怖い声に、慌ててベッドを出て階段を降りる。


「遅い!今日から新学年でしょ!?そんなんじゃ後輩の見本にならないからね!!」

「うっ…!すみません……」


 リビングに入るなり怒鳴ってきたお母さんに、私は肩をすくめて謝るしかなかった。


< 2 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop