私と後輩君との恋は、じれったい。
「………むぅ」


 図書室にいる私、ただ今不機嫌中。


 だって、安倉君と女の子が裏庭で話してるんだよ!

 あれは告白に違いない。女の子の顔が赤いし、安倉君は驚いてるもん。


「………やだな」


 ぽつり、と呟いてドキッとする。

 何言ってんだ私!

 安倉君に、「好きな人はいない」って言ったばかりじゃない。

 1回好きになりかけたけど、あれは単なる勘違い。


 私は今、誰のことも好きじゃないの!



「…話したい気分」


 中学の時にあったこと。

 安倉君は「待ってます」って言ってくれた。


 なら、今じゃない?


 私は、図書室の入口にあるホワイトボードに【ただ今不在】と文字を書いて、駆け出した。




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