ハナミズキ
そうわかってはいるけどやっぱりやるせない気持ちと行き場のない悲しみが溢れて私は初療室の壁を叩いてしまった



そうやってなにかにあたらないと自分が自分でなくなってしまうような気がして…




お義姉さんのことを忘れられなくて、忘れたくなくて、でも忘れなきゃならなくて…



そんな矛盾ばかりの気持ちばっかり頭の中に出てきて、どうしようもなくて




フェロー専用女子更衣室に入って私は颯馬くんと約束した30分という時間の間我を忘れたかのように泣きじゃくった




それは止まるという概念を知らなくて、一度やりだしたら止まらない子供のように………
< 21 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop