ご令嬢は天才外科医から全力で逃げたい。
衝撃的な出会い
上京してから8年の月日が流れていた。
私は26歳になった。
目白のマンションで1人暮らしをしている。
私は、大学院で人間発達を専攻して様々な人間の心理学や、科学的な知見から人間の発達について学んでいた。
夜間の専門学校でも学び国家試験に合格した私はその資格を武器に都内にある私立病院でMSW(メディカルソーシャルワーカー)として週3でアルバイトをしながら専門的な相談支援の仕事をしていた。
大学院には奨学金で通いアルバイトとの両立は大変だったが、忙しく、充実した毎日を送っていたのだった。
私の容姿は、母親から引き継いだ色素の薄い栗色の長い髪と、北国育ちの特徴である色白の肌と、薄い栗色と金茶の大きな瞳。
身長は163cm程あった。
世の中では、美人と呼ばれる部類の容姿を持っていたのだった。
但し、忙しい日々の中で化粧っ気は全くない。
服装は常に、ラフなTシャツや、ポロシャツばかりを身に着けていた。
ワンピースやスカートなどは長い事穿いていなかった。
自慢の栗色の髪も、いつもひっつめていたので、流行りのバレッタや可愛らしいヘアゴムなどで
お洒落を楽しむ余裕もなかった。
そんな私に、来月に行われる予定の、大学時代の友人の披露宴への招待状が届いたのだった。