ご令嬢は天才外科医から全力で逃げたい。
「どうして貴方は私の事をこんなにも気にかけてくれるの?」
美しい顔が間近にあって、未だに慣れない胸の動悸に困惑する。
「ずっと好きだった。頭が可笑しいと自分でも思うくらい君の事だけを考えて生きてきたんだ。僕を思い出してくれた?」
「不思議なの。うーん・・。
貴方にそこまで好かれる理由が。
未だに釈然としないわ?」
着ていたカーディガンのボタンを丁寧に外されていくと、上目使いで慧の表情を見る。
クスっと意味ありげに微笑んだ慧は私を見つめた。
「そろそろ思い出してよ。
俺のファーストキスを奪ったのは君でしょ?」
胸に落とされた唇と共に、放たれた衝撃の言葉に私は目を瞬かせた。
「は?私、そんな積極的な事したことないわ。人違いじゃない?」
「そうか・・。自覚なしであんな事したの?罪な女だな。」
「え?本当に覚えがな・・あぁぁっ。」
ソファへと運ばれ露わにされてそっと手で触れ甘い声が出た。
「ちょっと・・思い出すから待ってよ・・。ストップだってば!!」
「絶対・・止めてあげない。・・いい加減・・思い出してよ。」
攻め立てられるほど、考える事が出来なくなっていく。
切ないほど、身体を重ねる度に多幸感で満たされていた。
彼の愛撫に、私の身体は気持ちよく蕩けさせられていった。
「慧・・・。言ってることと、やってる事が違うって・・ば!!」
「一度始めたら、止まらない・・。良すぎる君の身体が悪い。」
頭が真っ白になっていく私に、慧は蕩けるように重なる。
慧の身体がびくりと弛緩して、私の上に重なるようにして倒れるように果てた。
泣き疲れていた私はそのまま眠りに落ちた。
夜中に目を覚ますと、いつものように慧のベッドの上に運ばれて眠っていた。
横に眠る長い睫毛の美麗な顔を見て、胸がドキッとする。
サラサラの髪が広がり、鍛え上げられた上半身は何も身に着けてないままで眠っていた。
私は大好きな慧の髪を撫でて微笑んだ。
「そうね、慧がハルならいいのに・・。」
ボソッと呟いた声に、慧は無反応なまま眠り続けていた。
私は、ベッドの横にあるサイドテーブルの引き出しを開けた。
入っていた婚姻届けの署名を見る。
「二条慧・・。貴方はハルじゃない・・。
でも、どうしてこんなに懐かしいんだろう。
貴方を見ていると何故か、ハルと重なるのよ。
俺様でもなかったし、線が細くて小さかったハルと貴方は似ても似つかないのに・・。」
でも、奏でる音は瓜二つだった。
「ハルでも、二条慧でも・・。私は、貴方が大好きです。」
眠る慧の頬に唇を落とした。
翌朝の土曜日、東京駅の新幹線ホームにたどり着いた慧と美桜の前には満面の笑みを浮かべた
見知った顔が立っていた。
美しい顔が間近にあって、未だに慣れない胸の動悸に困惑する。
「ずっと好きだった。頭が可笑しいと自分でも思うくらい君の事だけを考えて生きてきたんだ。僕を思い出してくれた?」
「不思議なの。うーん・・。
貴方にそこまで好かれる理由が。
未だに釈然としないわ?」
着ていたカーディガンのボタンを丁寧に外されていくと、上目使いで慧の表情を見る。
クスっと意味ありげに微笑んだ慧は私を見つめた。
「そろそろ思い出してよ。
俺のファーストキスを奪ったのは君でしょ?」
胸に落とされた唇と共に、放たれた衝撃の言葉に私は目を瞬かせた。
「は?私、そんな積極的な事したことないわ。人違いじゃない?」
「そうか・・。自覚なしであんな事したの?罪な女だな。」
「え?本当に覚えがな・・あぁぁっ。」
ソファへと運ばれ露わにされてそっと手で触れ甘い声が出た。
「ちょっと・・思い出すから待ってよ・・。ストップだってば!!」
「絶対・・止めてあげない。・・いい加減・・思い出してよ。」
攻め立てられるほど、考える事が出来なくなっていく。
切ないほど、身体を重ねる度に多幸感で満たされていた。
彼の愛撫に、私の身体は気持ちよく蕩けさせられていった。
「慧・・・。言ってることと、やってる事が違うって・・ば!!」
「一度始めたら、止まらない・・。良すぎる君の身体が悪い。」
頭が真っ白になっていく私に、慧は蕩けるように重なる。
慧の身体がびくりと弛緩して、私の上に重なるようにして倒れるように果てた。
泣き疲れていた私はそのまま眠りに落ちた。
夜中に目を覚ますと、いつものように慧のベッドの上に運ばれて眠っていた。
横に眠る長い睫毛の美麗な顔を見て、胸がドキッとする。
サラサラの髪が広がり、鍛え上げられた上半身は何も身に着けてないままで眠っていた。
私は大好きな慧の髪を撫でて微笑んだ。
「そうね、慧がハルならいいのに・・。」
ボソッと呟いた声に、慧は無反応なまま眠り続けていた。
私は、ベッドの横にあるサイドテーブルの引き出しを開けた。
入っていた婚姻届けの署名を見る。
「二条慧・・。貴方はハルじゃない・・。
でも、どうしてこんなに懐かしいんだろう。
貴方を見ていると何故か、ハルと重なるのよ。
俺様でもなかったし、線が細くて小さかったハルと貴方は似ても似つかないのに・・。」
でも、奏でる音は瓜二つだった。
「ハルでも、二条慧でも・・。私は、貴方が大好きです。」
眠る慧の頬に唇を落とした。
翌朝の土曜日、東京駅の新幹線ホームにたどり着いた慧と美桜の前には満面の笑みを浮かべた
見知った顔が立っていた。