【完】はじまりの一歩
「すぅちゃんはほんといい子ね。」
いつからだろう僕のことを見てくれなくなったのは
「すぅちゃんはほんとかわいいわね。」
いつからだろう僕の居場所がなくなったのは
「るぅはまた部屋にこもってるの?」
いつからだろうみんなが離れていったのは
「すぅちゃんはるぅと違って愛想もいいし、みんなの癒しねー。」
いつからだろう僕が1人になったのは
僕はいつでも逃げてばかりで
臆病者で
この曇った心に蓋をするように
外では雨が振り続けていた。