【完】はじまりの一歩
いつまで泣いていたんだろうか。
雨はさっきより小降りになっている。
これからどうしよう。
急に出てきた不安に頭を抱える。
ニャー
突然声がした。
見ると猫が座っている。
驚きながらもおそるおそる声をかける。
「キミもひとりなのか?」
ニャー
「帰る場所はないのか?」
ニャー
猫は僕に近づき頬をなめた。
「一緒にいてくれるの?」
ニャー
会話が通じているのか通じていないのか
けれど僕にはそれが心地よかった。