所長による小動物系女子の捕獲計画
まずは種類を判別しましょう
大翔side
「うさぎ、ではないか‥‥」
思考が口をついて出た。そんなに大きな呟きではなかったはずだが、黙々と書類の整理をしていた彼女には聞き取れたらしい。黒目がちの大きな瞳をこちらに向けた。
「うさぎ、ですか?」
小首を傾げる仕草はやっぱり「うさぎ」っぽいんだけどなぁ。
「名切元さんって、寂しがりや?」
「はい?‥‥そうですね、特別一人が好きだという事もないですが、一人で買い物や食事をする事も嫌いではないですし。寂しがりやではないと思います」
やっぱりそうか。うさぎはこんなに凛としてないもんな。どっちかと言えば、潤んだ瞳は見つめられた相手の庇護欲をそそる。それに寂し過ぎると死んじゃう程の寂しがりやのはずだ。
「そうか。ありがとう」
丁寧に礼を言えば、会話を終了させる意図は伝わったらしい。納得はしてはいないと視線で訴えながらも書類整理に戻った。
名切元 梨乃、29歳。彼女がこの建築事務所で働き始めてから、あと少しで1年になる。
思考が口をついて出た。そんなに大きな呟きではなかったはずだが、黙々と書類の整理をしていた彼女には聞き取れたらしい。黒目がちの大きな瞳をこちらに向けた。
「うさぎ、ですか?」
小首を傾げる仕草はやっぱり「うさぎ」っぽいんだけどなぁ。
「名切元さんって、寂しがりや?」
「はい?‥‥そうですね、特別一人が好きだという事もないですが、一人で買い物や食事をする事も嫌いではないですし。寂しがりやではないと思います」
やっぱりそうか。うさぎはこんなに凛としてないもんな。どっちかと言えば、潤んだ瞳は見つめられた相手の庇護欲をそそる。それに寂し過ぎると死んじゃう程の寂しがりやのはずだ。
「そうか。ありがとう」
丁寧に礼を言えば、会話を終了させる意図は伝わったらしい。納得はしてはいないと視線で訴えながらも書類整理に戻った。
名切元 梨乃、29歳。彼女がこの建築事務所で働き始めてから、あと少しで1年になる。
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