所長による小動物系女子の捕獲計画
朝の「お礼」のおかげか、機嫌良く一日が過ぎる。

今日はトラブルもないし、面倒な電話もかかってこない。

「名切元さん、なんか良いことあった?」

顔に出ていたみたいで、出勤してきた多和田さんが不思議そうに聞いてきた。

「はい。朝から美味しいオヤツをもらいました」

「そう。それはいいね」

ニッコリと答えたら、多和田さんは少し恥ずかしそうに顔をうつむかせて、優しいく顔をほころばせた。

「じゃあさ、ご機嫌ついでに今日、同席してくれる?あいつからメール来て、打ち合わせの後に食事に行く事になったんだ」

あいつ、というのは今日の打ち合わせ相手の大手ゼネコンの営業マン、染谷さんだ。多和田さんとは学生時代からの友人らしい。

「でも、私が入ったらお邪魔じゃないですか?せっかくですからお二人で」

「男二人で飲んで何が楽しいって、うるさいんだよ。なら誘わなきゃいいのに」
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