所長による小動物系女子の捕獲計画

アクシデントには冷静に対処しましょう

大翔side

「じゃ、次回はクライアントも同席するって事で」

染谷が締めくくって、打ち合わせ自体はあっという間に終わった。
ホント、染谷は仕事相手としては申し分ない。

大学の同期で同じ建築学部卒業の染谷は、大手ゼネコンで営業をやってる変わり種だ。他の同期でも入った会社で営業に配属されたヤツは数人知っているけど、染谷は違う。入社時に自分で希望を出したらしい。

「俺、社交的だからむいてそうじゃん？」

一度理由を聞いたがケムに巻かれたので、どうしてかは知らないが。

だが実際、営業としての染谷は優秀だ。専門知識も完璧だし、建築士の気持ちも分かってくれる。大御所の建築家から指名が来たって話を聞いた時も当然だと納得した。

「でもさー、今回は時間変更の連絡が全然来ないからちょっと焦った」

「は？お前、時間変更されるの前提だったのか？」

「今までを考えれば当然でしょ。だから俺、今日は夕方から予定何にも入れずに待ってたんだから」