所長による小動物系女子の捕獲計画
そして昨年、念願の事務所を開いた時に、事務員に応募してきたのが名切元さんなのだ。
正直、応募してきた人間の中には即戦力になりそうな建築学科卒業のヤツもいた。でも彼女を見た時、俺の直感で彼女に決めた。
150センチと少しの華奢な身体は女性的とはとても言えないけれど、全体的に全てのパーツが小さいのに瞳だけがやたら大きくて印象的だ。少し明るい色のショートカットも仕草もどちらかと言えば子供っぽいのに、仕事になると凛とした表情を見せて、プロフェッショナルに仕事をこなす。
どこか掴み所のない女性だ。
そんな彼女が理解したくて観察を続けた俺は最近、やっと理解した。彼女は小動物だ。ただ、なんの小動物なのかは、まだ判別できていない。
「リス、とか?」
頭の中にうさぎとは別の小動物を浮かべた。
「多和田さん、コーヒー淹れましょうか?」
「うん、ありがとう」
‥‥どうやら、また声が出ていたらしい。小さくため息を吐いた名切元さんの申し出を有り難く受け取る。
正直、応募してきた人間の中には即戦力になりそうな建築学科卒業のヤツもいた。でも彼女を見た時、俺の直感で彼女に決めた。
150センチと少しの華奢な身体は女性的とはとても言えないけれど、全体的に全てのパーツが小さいのに瞳だけがやたら大きくて印象的だ。少し明るい色のショートカットも仕草もどちらかと言えば子供っぽいのに、仕事になると凛とした表情を見せて、プロフェッショナルに仕事をこなす。
どこか掴み所のない女性だ。
そんな彼女が理解したくて観察を続けた俺は最近、やっと理解した。彼女は小動物だ。ただ、なんの小動物なのかは、まだ判別できていない。
「リス、とか?」
頭の中にうさぎとは別の小動物を浮かべた。
「多和田さん、コーヒー淹れましょうか?」
「うん、ありがとう」
‥‥どうやら、また声が出ていたらしい。小さくため息を吐いた名切元さんの申し出を有り難く受け取る。