所長による小動物系女子の捕獲計画

「マジかよ‥‥‥」

驚き過ぎて固まる多和田を見て満足したのか、言いたい事を言い終えて、染谷さんはヘラリと笑って机に突っ伏した。

「あ、ちょっと、あの、染谷さん！？」

そのまま寝息をたて出した事に慌てて、起こそうと肩を揺すったけど、起きる気配はない。

焦って多和田さんを見ても、こちらも固まったまま。まだショックから立ち直ってないようだけど、このまま染谷さんを寝かせる訳にはいかない。お店にもご迷惑になっちゃう。悩んだけど、声をかけた。

「多和田さん？染谷さん、どうしましょう？起きそうにもないですけど」

「あ、ああ。そうだな、家に連絡するよ」

なんと。いつも軽い調子だから想像もしてなかったけど、染谷さんは妻帯者らしい。多和田さんからの電話で、とてもとても優しい奥様か迎えに来てくれる事になった。

多和田さんはなんとか気持ちを切り替えたのか、迎えが来るまで染谷さん夫婦の馴れ初めを教えてくれる。

「学生時代から染谷は今みたいな感じでね。モテるけど軽い付き合いばっかりで、俺らからも、いつか刺されるぞってからかわれてて」