所長による小動物系女子の捕獲計画
「よかったら、もう少し飲みませんか?」

誘いの言葉を口にしていた。



⌘ ⌘ ⌘



クーラーの効いた室内がちょっと寒くて身体を丸めると、暖かいものに包まれた。無意識に身体に力が入っていたのも抜けたし、安心してまた眠りの海に沈んでいける。

「‥‥‥ってより、子猫だな。ま、それも小動物か」


ん?子猫?小動物??


ギモンで意識が浮上する。その間も暖かさに包まれたままだけど、この温もり、何故かクツクツと笑って小さく揺れる。

せっかくの心地良い暖かさと眠りを諦めてゆっくりと開けたら、視界は肌色一色だ。

「起こしちゃったか?」

頭上で聞こえるよく知った声に、絶望的な気分で視線を上げた。

「おはよう、名切元さん」
< 39 / 80 >

この作品をシェア

pagetop