所長による小動物系女子の捕獲計画
「今から、ですか?」

「そう。良かったら、だけどね」

さりげなく返事をしながら、ちらっと横を見ると、どうやら真剣に悩んでいるらしい。眉間にしわを寄せて、前をにらんでいる。

「そんなにらむほど悩まなくていいよ。やっぱりやめておこう」

「違うんですっ!ホントに行きたいと思ってるんですけど、用意に時間がかかってしまうので‥‥その」

「用意?」

そんな事を悩んでいたのか。悩み方も弁解の仕方も可愛いと思ってしまうなんて、俺は自分で思っているよりハマっているらしい。

「くくっ。そんな事、悩まなくてもいいよ。俺も今日は何も予定がないし、待つ事に気にしなくていいよ」

「でも、やっぱりダメです。シャワーも浴びたいし、着替えもしたいし、きっと一時間くらいかかっちゃいます」

「一時間なら、待ちやすいからいいよ。変に10分とか短い時間だとコーヒーも飲みに行けないし、かえって困るからね」

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