所長による小動物系女子の捕獲計画
「触られるのがイヤとかじゃなくて、髪をちゃんと乾かさずに来たのが恥ずかしくて」

シャツの背中をぎゅっと握りしめた名切元さんはちょっと泣きそうになっている。もしかしたら、背を向けた俺が腹を立てたと思っているんだろうか?

「そう?俺は髪を乾かす時間を端折ってでも早く会いに来てくれたのが嬉しいけどな」

シャツをつかむ名切元さんの手を捕まえて、そのまま強く握る。

「じゃ、行こうか。見せたい場所があるんだ」

そのまま手を繋いで歩き出す俺に顔を赤くして戸惑いながら、それでも手を振りほどくことなくついて来てくれる。


手を繋ぐ事がこんなに嬉しいだなんて初めてだ。



⌘ ⌘ ⌘



一時間ほど高速を運転する間も、朝からの穏やかで心地よい空気は続いている。けっして会話が弾んでるとはいえないけど、無理に話さなくても気まずくなる事はない。
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