所長による小動物系女子の捕獲計画
軽妙なやり取りは遠慮のなさを感じさせる。年は離れてるけど、とても仲の良い友達なんだろう。見ているだけで、心がほっこりとした。


⌘ ⌘ ⌘


その後すぐ帰って来たアドルフさんの奥様、清子さんが手料理を振舞ってくれて、和やかな昼食をご馳走になった後、私達はお城をおいとました。

「ありがとうございました」

車の助手席、シートベルトを締めた後にペコンと頭を下げたら多和田さんが不思議そうな顔をした。

「なんで莉乃がお礼言うの?」

「楽しかったんです。それに、嬉しかったから」

「嬉しいってアドルフのトコ連れて行ったのが?」

「はい。多和田さんの大切な人に会えて、大切な場所を見せて貰えて嬉しかったです。‥‥って、多和田さん?」

「ーーーそれ、わざとやってる?」

がっくりとハンドルに突っ伏した多和田さんが少し怒ったような声を出した。

「わざと、ですか?何をわざと 」

「な訳ないか。ごめん、忘れて」
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