ナミダ列車
「ちょっと…瑛太」


「俺の目見て言ってよ。幸也が好きだって」


「え?」



いつの間にすぐ目の前にある瑛太の顔。
大好きな顔が目の前にあってかぁーっと顔が熱くなる。



「俺のこと騙せると思ってんの?」


「騙すってなに?あたしはほんとに真田くんが…んっ」



〝真田くんが好き〟
そう告げようとすると途中で瑛太の唇によって言葉を遮られる。



「…なにすっ…」


「他の男のこと好きって言いそうだったからその口塞いでやった」


「え?」



なんでそんなこと言うの?
それじゃあまるであたしのことが…



「好きだよ」



あたしの心の声が聞こえたかのように愛の言葉が囁かれる。



「うそだ…」


「好きだよ。気づくの遅くてごめん。たくさん傷つけてごめん。でももう、他の男好きなんて言わないで」


「んっ」



もう一度瑛太の唇であたしの唇は塞がれる。



「返事は?」



得意げな顔で瑛太が聞いてくる。
そんなのわかってるくせに。

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