ナミダ列車
「…好き」


「俺も」



ぎゅっと瑛太に抱きしめられる。



「お姉ちゃんじゃなくていいの?」


「たしかに好きだったよ。あこさんのこと。やこの事気になったのもたぶんあこさんに似てるから」



瑛太に言われた言葉は、覚悟してた言葉だった。
でも、いまはあたしのことが好きだって言うならなんてことはない。



「でもさ、好きでもない女とこんな何年も付き合うかよ」


「それはお姉ちゃんに似てるから…」


「まぁ、俺が1番自覚してなかったんだけどな。失ってから気づいたんだ。やこの存在の大きさに。たくさん傷つけてごめんな」



そうして瑛太はいままで見たことのないような優しい顔であたしを覗き込んだ。

この顔知ってる。
お姉ちゃんを見ていた瑛太の顔と一緒。

この顔に確信が持てた。
もう大丈夫だと。



片恋列車は大好きな人によって
両思い列車に乗り換えられた。



「大好きだよ」



-Fin-

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