ナミダ列車
「ふっ…」



自分から手放した恋があまりにもデカすぎて。
瑛太に背を向けたのは自分なのに
自分勝手だけど未練でたくさんだ。



「やこ?」



家の前でうずくまっていると知っている声が聞こえた。



「…お姉ちゃん」



彼の好きな人。
あたしのお姉ちゃん。



「どうしたの!?そんなに泣いて!瑛太くんとなんかあったの!?」


お姉ちゃんがあたしの顔をみてとても慌てているのがわかる。



「…別れた」


「え!?あんなに仲良かったじゃない!」



あたしたちは傍から見たら仲良しカップルだったのかもしれない。
でも、ずっとずっとあたしの片思いだった。
ずっと片恋列車に乗ったまま両思い列車を待っていたけど
待ちくたびれてしまった。



「片恋列車は疲れたよ…」


「列車?」



お姉ちゃんが難しい顔になる。



「ううん。なんでもない。おうちに入ろ」



お姉ちゃんに笑顔を見せて家に入る。

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