Designer Baby
私は、手に温もりを感じて目を覚ました。


すごく、温かい。


私は、不思議な気持ちになった。



先生の気持ちに、私はどう答えればいいんだろう。



昨日の言葉が、頭に蘇った。




『生き続ける』




そんなこと、言われたことなんてなかった。




私は、1人の人間として誰かがこんなにも私と向き合ってくれたことなんてなかった。




だから、私はどうしたらいいのか分からない。




私も、思うまま感じるままに動けばいいのかな…。




でも、誰かの温もりを知ってやっぱりいらないって言われたら、私はまたあの日みたいに捨てられるのだろうか。






もう二度と、必要ないって。





そう言われるのだろうか。




たまらなく不安になったら胸が締め付けられるように痛かった。





それから、半分だけ身体を起こし、私は握られた手を見ていた。






この人は、一体何を考えているのだろうか。







「あ、愛ちゃん。


起きた?」






私は、先生の言葉に頷いた。







「よく眠れたかな?」






「はい…。」






「よかった…。」





「愛ちゃん…。


身体の具合はどうかな?」






部屋に入ってきたのは、担任の大関先生だった。






「大丈夫です。」







「うん、よかった。



城山先生…。




愛ちゃんの診断がついたって…本当ですか?」







「はい。」






「愛ちゃん…。


大関先生には、ちゃんと病名の説明をしていいかな?」







「はい。」







「ありがとう。



じゃあ、大関先生そこに腰をかけてください。



愛ちゃんは、拡張型心筋症っていう心臓が拡張する病気でした。




拡張型心筋症は、発作を起こしたら大変危険な状態にさらされることもあるかもしれない…。



でも、そんなことがないように愛ちゃんの様子を診ていきたいと思ってます。



学校の方でも、全力でサポートさせていただきます。」








「そう…でしたか…。


愛ちゃん。



愛ちゃんにとっては、ちょっと難しいことかもしれないけど…。


俺に出来ることがあったら、何でも話してほしい。


抱え込まないで、先生や城山先生に話してほしい。」






「はい。」




先生の温かい言葉に、胸が苦しくて頷くことに精一杯だった。







それから、先生は授業があるため一旦学校に戻ると私に伝えてから、病室を後にした。







「愛ちゃん、ちょっと厳しいことを言うよ…。



愛ちゃん、これから色んな問題や不安なことが待ち構えてるかもしれない。





もしかしたら、愛ちゃんが突然発作を起こして倒れることもあるかもしれない。





そんな時、身近に誰もいなかったら愛ちゃんのことを助けたくても手遅れになるかもしれない。





それは、絶対に避けたいんだ。




だから、愛ちゃん。





しばらく、1人暮らしをするのは危ないと思う。




もし、愛ちゃんがよかったらでいいんだけど俺と一緒に住まないか?」






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