Designer Baby
私は、耳を疑った。





今なんて?




いやいや、そんなことよりも…。






発作で、突然倒れることがあるって…。





私、そうなったら死ぬの?






「先生…。



発作を起こして倒れたら、私は死んじゃうの?」







「何を言ってるんだ。


たしかに、危険な状態になるかもしれない。



でも、そうならない為にも今は休むことが大切なんだよ。





愛ちゃんが、無理してないか確認するためにも一緒に暮らして様子を見ていきたい。」







信じてもいいのかな…






またいらないなんて言われないかな。






私の居場所が、やっと今の家に見つけたところなのに。






この人を信じてついて行く覚悟がそう簡単に出来なかった。







「急いで、決める必要はないよ。


ゆっくり考えてから決断してもいいから。


俺は、愛ちゃんの答えをいつまでも待ってるから。」







そう言って、先生は私の頭を撫で近くの椅子に座った。






「先生…」






「ん?」





「私は、信じていいんでしょうか…。」








「というと?」





「私、怖いんです…。


本当は、生きることに対して罪悪感でいっぱいなんです。


希を使って、私はずるをして産まれてきたのかもしれない。



そう考えたら、私は幸せになったら罪悪感で自分が押しつぶされそうで怖いんです…。」






「愛ちゃん…。」






「でも、少しだけ救われた気がします。



先生の言葉が、昨日話してくれた言葉が嘘だとしても、私は救われた…。



それは、紛れもない事実だから。」






「愛ちゃん。


昨日話したことは、嘘でもない。


俺は、偽善者になれるほど器用じゃない。


昨日、話したことは愛ちゃんに対して本気の気持ち。


俺が、愛ちゃんに出会って芽生えた気持ち。



それに、俺は愛ちゃんを手放したりしない。


絶対、この温もりは誰にも渡さない。」




そう言って、先生は私を抱きしめた。






「君と初めて出会った日、俺はあの日の君を忘れない。


忘れてはいけないんだ。


愛ちゃんの瞳は、すごく真っ直ぐだった。


真っ直ぐな瞳から、生きたいっていう思いが伝わってきた。


それが、本当の愛ちゃんの気持ちなんだってすぐに分かった。


だから、俺はそんな愛を守っていきたいって思ったんだ。」







「先生…。」





私は、少しだけ先生の体から離れた。






「こんな私だけど、よろしくお願いします。」






「愛…。」





そう言って、先生はもう1度私を自分の胸に優しく抱き寄せた。
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