Designer Baby
それから、1ヶ月ほど経ち私の心臓の状態も安定してきて、昨日退院して来た。




朝起きると、先生がキッチンにいた。




「愛、随分と早起きだな。

あまり、よく眠れなかった?」







「いえ。大丈夫です。」






「朝ご飯食べたら、学校行く前に診察をするんだけどいいかな?」





診察…。




「愛?」






「分かりました。」





「それから、愛。

一緒に暮らすことを、一応担任の先生と校長に伝えておいた。

だから、学校が終わったら必ず保健室に来て。

それから、一緒に帰ろう。」






「先生が、私を家まで送って行くんですか?」





「同じ所に住んでるのに、何もわざわざ別に行くことなんてないだろう?

それに、今は電車で通うのは危ない。

病状依然に、俺が心配で胸が張り裂けそうになるんだ。


だから、ここはお願いします。」








「先生が、それで迷惑に感じないのならお願いします。」






「よかった。


そうと決まったら、愛。


ちゃんと酔い止めも飲んで。」






どうして知ってるのだろう。





私は、車酔いしやすい。






「あっ、それから。


愛は、いつも学校にお弁当を持って行ってる?」






「いや、いつも学校でパンを買うかコンビニで買ったりしてます。」







「だから、そんなに細いんだな。


今日から、栄養たっぷりのお弁当を作るから持って行ってくれるか?」






「いや、そこまで手間を取らせるわけにはいきません。


それに…」






「それに?」








「いえ…。何でもありません。」








「分かった。


まぁ、今日はいいとして考えておいてほしい。」







「はい。」





それから、朝ご飯を食べ終え無事に診察も終わった。








「愛、辛かったら無理しないで必ず教えて。


授業中も急に胸が苦しくなったり動悸がしたらすぐに先生に知らせるんだよ。」






車の中、先生は私にそう言った。






「大丈夫です。分かってます。」







それから、車に揺られること30分。




学校に着いた。
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