花火の後に~12歳の初恋~
必死に振り向かせようと考えていたある日。

授業の学活で先生の何気ない話が胸に残った。

「あと、半年もしないうちに卒業だから。もうすぐ修学旅行だし、いっぱい思い出作ろうね」

その時、私は改めて時の短さを知った。

私は、みんなが進む公立の中学ではなく、受験をして私立の中学に行くことにしていた。

周りのみんなは、あと3年、同じメンバーで過ごせたのに、私は過ごせない。

この短い残りの小学校生活を終えたら、もう会えないかもしれない。

そう思うと、急に焦りが出てきた。

もう、"振り向かせよう"なんて考えなかった。

私の頭は"いつ、どうやって告白しよう"ということに変わっていた。
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