【短】先輩、笑って
一度足元から離れたボールを奪い、どんどんスピードを上げて上がっていく。
「行け、臣!!」
「臣さん、頼む…!」
周りの声援に包まれて放ったシュートは、みるみるゴールに吸い込まれ…
───シュパ…!
「……ッ!!」
見事、先制点を決めた。
「やった!先輩ナイッシューです!」
思わず飛び跳ねて叫んでしまう。
それに気が付いた先輩が
「みぃ!やったぞ!」
そう、笑ってピースをした。
……え、先輩、今なんて?
歓声の上がるグラウンドで、私だけ1人動きが止まる。