【短編】夏恋~君とふたりっきり~
「今日改めて思った。やっぱり七海が好きだって」
目をそらさずに私を見つめる。
聞き間違いなんかじゃない。
今、私のこと好きだって……
「う、うそ…」
「ちょっと前から七海のこと気になってて。さっきも自分のことより子供のこと優先にしてるとことか…すげー惹かれる」
握ってくれている手のひらが熱くて、これは現実なんだと思わせてくれた。
「今日も純子に誘われた時めっちゃテンション上がった。バレないよーにしてたけど」
「そんな…本当に?」
「うん。浴衣姿すげー可愛いし」
照れてるのか手を口に当ててため息を漏らす。