【短編】夏恋~君とふたりっきり~
急に鼓動が早くなる。
どうしよう、咲斗くんがくる。
お祭り一緒にまわるの!?
咲斗くんとも今年初めて同じクラスになった。
純子と同中ということで、たまに話す機会があったんだけど、華やかな外見とは裏腹に、喋り方がすごく落ち着いてて、一緒にいるとドキドキもしたけどホッとした。
好きになるのに時間はかからなかった。
純子はというと、旭くんに片思いしてるからこちらもすごい喜んでいる。
「浴衣着てきてよかったよね!」
「そ、そうだねっ……」
小学生の時に買ってもらった白地にビビットピンクの花模様が描かれている浴衣。
子供っぽいんじゃないかと、今更焦り出す。
「七海(ななみ)も咲斗とうまくいくといーねっ」