【短編】夏恋~君とふたりっきり~
「うん…でも咲斗くん彼女できてないかな…」
明るくて友達が多い咲斗くんは、もちろん女子にも人気があった。
私以外の女子と楽しそうに話しているところも結構見る。
この夏休みに彼女ができていてもおかしくない。
「今んとこいないみたいだから大丈夫!七海は可愛いんだから自信持って!」
勇気づけられたけど無理。
ほんとムリ!
ふたりを待っている間、心臓がバクバクして落ち着かなかった。
まもなくして、咲斗くんと旭くんがやってきた。
うわっ、私服初めて見たけどオシャレ!
モノトーンでまとめてるけど、オシャレさんだっていうのがわかる着こなし方をしている。
こりゃあモテるよねぇ…
自分の浴衣を見て、恥ずかしくなった。
こんな子供っぽい浴衣…一緒に歩きたくないんじゃないかな。