【短編】夏恋~君とふたりっきり~
純子と旭くんが自然とふたりで前を歩き始めたので、私と咲斗くんも自動的にふたりになった。
ど、どうしよう。
教室では緊張しながらもなんとか話せてるけど、ふたりっきりで話すのは初めて。
かごバッグを持つ手に汗が滲む。
咲斗くんの方を向けない。
てか、会話がなくてつまらない女だって思われてないかな…
「あいつらさ、うまくいきそーじゃね?」
その時突然、咲斗くんが口を開いた。
「あっ、純子たち!?う、うん!」
「つーか両思いなんだから早くくっつけって感じだよな。見てる方がもどかしいわ」
咲斗くんが笑って私の方を見る。
ヤバイヤバイ近い!カッコイイ!
「そ、うだよね…」
「七海は?」
「え?」
「彼氏いねーの?」