【短編】画面越しのカタオモイ。



夜になり布団に潜り込んだ私は再びSNSの中を散歩した。



次々と現れる写真に胸がひどく締めつけられた。



知ってる。心の準備だってしてたし、辛くなるのだって分かってた。




でも……。






「…………」





ただ無言で息をしてるかしてないかぐらいの、そんな息遣いで、次々出てくる楽しい光景を眺めた。


どのキミも眩しいくらい笑ってて、正直羨ましすぎた。


水着姿に心が奪われてもテンションは一瞬だけ上がるだけ。

水着姿の女の子とくっ付いてる写真はスマホを投げ飛ばしたくなった。



アイの投稿にも妬きつつ、ちょっとイタズラ心で返信をした。


『やっぱ私も行きたかったー!悔しい(><)!』と。


それにすぐ返答がきた。



『また来年あるからそんな泣かんで〜(笑)』



アイは私が海野くんに恋してることを知っている。というかバレた。誰にも知られず恋していたのに。

それだから誘ってくれた。

それなのに……。


断った私にイラつくし、アイの返信にもムカついた。自分のイタズラ心から引き出した返信だというのに。


あー、私ってかなり心が狭い女だなー……。


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