【短編】画面越しのカタオモイ。
──ガラッ
ドアが開いた。
目の前の人物を認識するのにほんの少しだけ、時間がかかった。
君が、好きな人が、目を丸くして私を見てる。
見てる……!?
「ぁ、す、すみませんっ」
とっさに私は道を譲って、俯きながら君と、その友達たちが通り抜けていく足音を聞いていた。
音が無くなった廊下にほっとし、よろめきながら自分の席に着く。
「〜〜っ!」
もう心臓がっ、壊れそうだっっ。