女トモダチ
「ていうかさ、ハルトお前超もったいなことしたよなぁ～？」

ハルトの席の周りをクラスの男子が取り囲む。

「何がだよ？」

ハルトはほんの少しだけ不快そうな表情を浮かべた。

「お前、神条とちょっとの間付き合ってたじゃん？振ったのってお前なんだろ～？信じらんねぇよ！」

「もったいないよな？俺なら絶対に別れないけど」

ハァ？何言ってんの？

勝手なことを言うクラスの男子に怒りが募る。

「なにあれ。今カノが近くにいるのに、アイツらマジで最悪だわ～」

蘭の耳にも届いたのか顔を歪める。

「怜音先輩と神条が付き合ったら、ハルト絶対後悔するって！」

「だよなぁ～！逃がした魚は大きかったな～」

周りに煽られているハルトの顔が曇る。

「俺は別に……」

「いやいや、もったいないって～～。しかも、そのあと付き合ったのが神条の親友の池田だし。池田のどこがそんなによかったわけ？」

デリカシーがなさすぎる男子の発言に耐えきれずに何か文句を言おうとしたとき、

「めんどくせぇな。そんなの別になんだっていいだろ。気分悪い」

ハルトがバンっと机を叩いて椅子から立ち上がった。
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