女トモダチ
「みんなすごい変わり身の早さだよね~。こないだは真子とハルト君の話でもちっきりだったのにさ」

あたしの席にやってきた蘭が呆れたように呟く。

「だよね」

蘭もまったく同じことを思っていたなんて。

やっぱり蘭とは気が合うようだ。

「てかさ~、セイラもセイラだよねぇ。なんかあの子って鼻につくの。真子もよくあの子と親友やってられるよね?」

蘭の言葉にセイラを見る。

周りをクラスメイトに囲まれて困っている表情を浮かべながらも笑顔のセイラ。

なんだろう、この気持ち。

胸の中がザワザワとうるさくなる。

「ぶっちゃけさ、真子もムカつくでしょ?セイラのこと。純粋そうな顔してやってること真っ黒じゃん?怜音先輩のこと聞かれてああやって困ったようにしてても絶対に付き合うんだから」

そうだよね……。セイラは……あたしとハルトが両思いなのを知っててハルトに告白したんだもん。

抜け駆けしたんだもん。先に裏切ったのはセイラだもん。

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