女トモダチ
「真子……、私何も知らなくて……なんかごめんね……?迷惑だったかな……?」

「えっ?なんでセイラが謝るの?二人でも三人でも同じだし、迷惑なんかじゃないよ」

「だけど……」

「ハルトと二人っきりっていうのもなんか変だもんね。セイラがいてくれたほうがいいよ」

茶化すように笑うあたしを見てホッとしているセイラ。

表面上は笑顔を浮かべているものの、あたしは心の中で泣いていた。

どうしてこんなにタイミングが悪いんだろう。

どうして素直に『あたし、ハルトが好きなの』ってセイラに伝えられないんだろう。

もっと早くセイラにハルトが好きだと伝えておけば、きっとセイラだって気を遣ってくれたに違いない。

全てが後手後手になって最悪の展開に向かってしまった。

グッと拳を握り締める。

でも、セイラは何も知らなかったんだし責められない。

あたしは『しょうがないよ』と必死に自分をなぐさめた。
< 11 / 231 >

この作品をシェア

pagetop