女トモダチ
「真子」

ポンッと肩を叩かれてハッと顔を持ち上げる。

「お昼食べに行こうよ?」

「あっ……もうお昼か……」

セイラに言われるまで気付かなかった。

「なんか最近、ぼーっとしてること多いよね?何か悩み事でもあるの?私でよければ相談に乗るよ?」

「別に……なんでもないから」

セイラに話したところで状況は変わらない。

むしろ、お金で困ったことのないセイラにあたしの苦しみなんてわかるわけもないし。

それを知られて同情されるのだけはまっぴらごめんだ。

「そっか……。あっ、今日ってお弁当?私、パンを買ってきたからたまには屋上で食べない」

「うん……。いいよ」

あたしは小さくうなずくと、お弁当の袋を胸に抱きかかえて歩き出した。
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