女トモダチ
「真子……あのさ……今日はごめんね。私……」

セイラが小さく頭を下げて謝る。

「こんなところでそんな話すんのやめてくれない?」

セイラのやることなすことすべてが鼻につく。

父はあたしとセイラの険悪そうな空気を察して慌てた様子でテーブルの上の求人票を片づけている。

もっと早く片付けておいてよね。父に対するイライラも募る。

「ごめんね。でもちゃんと誤解を解きたいから。私にとって真子は……」

「だからやめてよ!あたしが悪者になるにきまってんじゃん。それとも何?もしかしてそれを狙ってる?」

「違う、そんなんじゃないの!!」

セイラが顔を歪めて否定したとき、一枚の求人票が正座するセイラの足元にひらりと落ちた。

「あっ、落ちましたよ」

それを拾い上げて父に差し出そうとしたとき、セイラの視線が求人票に注がれた。

「これって……」

「あぁ、これね。神条コーポレーションの求人。おじさんね、セイラちゃんのお父さんの会社を受けようと思っていて」

父はほんの少し気まずそうに頭をかく。
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