女トモダチ

幸せそうな笑顔を怜音先輩に浮かべるセイラ。

セイラの声が聞き取れなかったのかわずかに腰をかがめてセイラの声を聞こうとする怜音先輩。

指先を絡み合わせるように繋がれている二人の手をジッと見つめていると、息が苦しくなった。

どうして……。

どうしてそんなに幸せそうにしてるの……？

ようやくセイラ以上に幸せになれたって思ってたのに。

ハルトをセイラから奪って、今度はあたしが勝者の気分を味わえると思ったのに。

それなのにどうしてこんなに惨めなの？

セイラばっかりいい思いをして、あたしばっかりいつも貧乏くじを引くなんて。

ズルい。何もかも持っているくせに、今度は校内一のイケメンを彼氏にするなんて。

あんなに幸せそうにしているなんて。

あんなに愛されてるなんて……!!

壊してやりたい。

ううん、壊してやる。