女トモダチ
映画館の近くのファストフード店を出ると外はもう真っ暗だった。

「なんかあっという間だったね~!でも、楽しかった!」

大きく伸びをしながら二人に笑いかけると、セイラがつられて微笑んだ。

「うん。私もすごく楽しかったよ。また3人で一緒に遊びたいね」

「あ……、うん。そうだね」

3人で……か。もちろん、今日はセイラとハルトと3人で過ごせて楽しかった。

でも、欲張りだけど次は2人で……ハルトとふたりっきりでデートがしたい。

こんなこと考えるなんて、あたし意地悪かな。

「よし。そろそろ帰るか。俺はこっちだけど、真子と神条は?」

「あたしは反対。この時間ってちょうどバスないし、歩いて帰ろっかな。セイラはハルトと同じ方向だよね?今日もタクシー?」

あたしだけが二人とは反対方向。でも、セイラは遅くなると両親からの言いつけを守って必ずタクシーを利用して家に帰る。

もちろんそれは今日だって例外ではないはずだった。

それなのに。

「えっと……今日は歩いて帰ろう……かな」

「え?」

セイラの言葉に思わず声を漏らす。
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